3年生の皆さんだけに話をする機会は初めてかもしれません。画面越しとは言え、こうして話す機会をいただき、嬉しく思います。「激励」の思いを言葉に乗せて、皆さんに届けます。
 いよいよ明後日から大学入学共通テストが始まります。準備万端、蓄えてきたモノを表現する大舞台です。身につけたGRIT(やり抜く力)を発揮する絶好機、精一杯やり尽くしましょう。

 まずは昨年度の3年生にも紹介したエピソードから。はるか昔、40年以上前のことですが、私自身が出雲高校3年生だった頃、たしか柔道場で開かれた激励会で、学年主任の先生からかけられた言葉がありました。共通一次試験と呼ばれていた試験の直前でした。
「模試の成績など某北高から大きく水をあけられている君達だが、大丈夫だ、安心せよ。なぜなら、君達は出雲の子。大事には必ず神風が吹く。」
科学的根拠もない言葉で、普段の成績も心配な私達32期生でしたが、不思議と安心できたのを覚えています。出雲で学んだ私達には明るい未来が待っている、そんな気になれたものでした。

「神風に頼りなさい、期待しなさい」、今の段階でそう伝えたいのではありません。

どうなることかと不安になって縮こまるよりは、仲間と共に過ごしたここ出雲での日々を追い風にし、自信を持って臨んでほしいのです。試験本番までの過ごし方やコロナ感染症への対応などについては、担任の先生方から具体的にアドバイスされるでしょうから、私としては主に「心の構え方」について、3点伝えます。

一つは、「気をたしかに持つこと」です。
「気力」の気、そもそも気には力があります。全ての行動の元となる気を「元気」、機に応じて真に発揮する気を「本気」、どんな障壁に対しても挑もうとする気を「勇気」と呼びます。
「元気があれば何でもできる」。「本気になれば突破できる」。「勇気を持って挑戦しよう」。

二つ目は、「信じること」「自信を持つこと」です。
疑い始めればキリがない。自分がやってきたこと、身につけたモノが評価されるはず。あなたの代わりは誰にもできない。あなたがあなたを信じないであなたの全てを表現・発揮できるはずがない。何よりも「自分を信じる」こと。そして、「仲間と共にやってきたこと、支えてくれる先生や家族を信じる」こと。気を確かに持って、自分を信じ、やってきたことを表現しましょう。

三つ目は、「愛を大切にすること」です。
音で言う「アイ」とは、自分の「I」、仲間達との「高め、学び、支え合い」、家族からの「愛」であり、IZUMOの頭文字の「I」でもあります。支え合い助け合って、今の自分がある。関わりある方々への感謝の思いを忘れずに。あなたは一人だけど、一人じゃない。残る日々も当日も「アイ」を忘れずに。辛くなったら、苦しくなったら、その時こそ「アイ」を思い出しましょう。

結びに、アメリカの文化人類学者、マーガレット・リードの言葉を紹介します。
それは「未来は、今である。」という言葉。
今の充実こそが未来をつくる。未来をことさらに不安視して、怯えたり、竦んだりするなかれ。未来を拓くのは、懸命に今を生きるあなた自身です。今この時々を大切にしてください。

令和5年1月12日(木) 校長 多々納 雄二

 

怯むな74期生、私達教職員一同、出雲で学び成長した皆さんの明るい未来を信じて疑いません。健闘を祈ります。頑張ってください。

3年生学年集会 激励の言葉